グリーフ

こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。今回も引き続き、日本石材工業新聞を読み、その記事についてなのですが、「グリーフサポート」という記事がありました。

グリーフとは「悲嘆」という意味で、簡単に要約すると、かけがいのないものを、永遠に亡くした悲しみの事です。一番いい例が、子どもを亡くした親でしょうか。その悲しみによって空いた穴は、一生埋まらないでしょう。なぜなら、他に代わりがいないからです。
そして今回紹介するのは、記事の中でワイドショーの事を取り上げており、そのワイドショーの内容とは、「遺骨を一時的にではなく、長期的に自宅に安置する人が増えている。また、自宅に安置する事を前提とした、遺骨収納が出来る仏壇を求めている人が増えている」という事でした。

素直に反応するならば、正直驚きました。ただ、同時にタイムリーな話でもありました。なぜなら、記事と全く同じ条件で仏壇を探しに来た人がいたからです。

そのお客様は、旦那さんを亡くした奥様でしたが、遺骨をまだしばらくは手元に置いておきたいと、でもただ置くだけでは不安なので、お仏壇の中に収めたいと、おっしゃったのです。

私はどうにかお客様の期待に応えようとしましたが、現状、遺骨が入った骨壷ごと仏壇の中に収めるには、どうしても従来型の仏壇では入りません。

その為、家具調仏壇と呼ばれる現代式の仏壇は、下台のスペースが伝統式と比べ、広いので、骨壷ごと入るタイプもありましたから、そちらを勧めましたが、どうしても従来型の仏壇が良いという事で納得はしてはくれませんでした。

お客様も色々な仏壇を探し歩いているらしく、無い、無い、無い、と探してはいますが、元々の伝統仏壇の構造上、入らないものは入らないので、完全なオーダーで作ってはいかがですかとも勧めてみましたが、予算の兼ね合いでそれも納得されませんでした。

そして結局無い、無い、無いと、おっしゃれてて帰っていきました。その時は、私はどうすれば良かったのかと考えましたが、もしかしら「なぜ自宅に置きたいのか?」という、ご遺族なりの理由をまずは、先入観や業界の常識を捨てて、まずは聞くことから始めれば良かったのかなぁと、反省いたしました。

四十九日を過ぎたら出来るだけ早く納骨するのが本来のセオリーですが、未だその人が亡くなってしまったという辛い現実を受け入れる事が出来ないご遺族は、その思いの行き場を探しているのかもしれませんね。

埼玉永代供養墓