TVと終活と金子さん

こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。先日1月19日放送の日本テレビ「行列のできる法律相談所」において、「終活」の話がありました。私は、お風呂上がりに自宅でたまたまこの番組を観ていまして、それまでは単純にバラエティとして観ていましたが、終活というテーマが出たとたん、職業柄思わず反応してしまいました。

内容としては、納得のいく死に方を模索するシニア世代が増えている中、終活の契約を巡るトラブルが急増している昨今、そんな終活に関する注意点を、史上最強弁護士軍団が解説するという内容でした。具体的には以下のような事例と注意点が紹介されました。

事例1.父親が亡くなりしばらく経った頃、知らない霊園会社から「10年分の管理費が未納なので支払ってください」と、請求が来て困っている。

→回答:相続しているので基本的に支払義務がある。ただし、霊園の管理会社が株式会社であれば、商行為となり5年で消滅時効になるので、差額5年分は支払う義務が無い可能性が高い。

事例2.1人暮らしの高齢者が怪我により介護が必要な生活になり、駆けつけてくれた娘に身の回りの世話をお願いした。お礼も兼ねて介護資金として全財産を娘に渡したが、翌日から娘が来なくなり困っている。

→回答:実の娘であっても泣き寝入りをしないためにきちんと対応する。今後の介護や看護に関する事務、及び財産管理などの代理権契約を結ぶこと。

注意点1.葬儀費トラブルが急増しているので、複数相見積もりを取り、納得のいく慎重な契約をすること。

注意点2.税制改正により来年元日から相続税の基礎控除額が引き下げになるので、相続税の課税対象者が倍増することが予想される。

(補足説明/基礎控除額とは、相続財産に対し相続税がかかるか、かからないかのボーダーラインのことです。極端な例でいえば、お年玉に10,000円以上もらった場合は、親に太郎くんにもお年玉あげなきゃいけないんだから出費がかさむのよ!だからお年玉を還元するから、ね?とか訳のわからない理由でお年玉を徴収され、10,000円以下の場合は可哀想だから、ね?という恩着せがましい理由で満額自分のお小遣いになったはずが、来年のお年玉からは、お母さんやりくり大変なんだから5,000円以上でも徴収するからね!と宣告されたようなものです)

ただこの日一番の注目は、一昨年10月に亡くなった流通ジャーナリスト金子哲雄さんです。軽快なトークとコミカルな外見で一躍時の人となった金子さんですが、突然、41才という若さで駆け抜けるように逝ってしまいました。ただこの人が今尚注目を浴びる一番の理由は、終活という言葉を広く世間に認知させた、その鮮やかなまでの「死に方」でした。

金子さんは余命宣告されると、死後自分に訪れるであろう全てのことを自分でセルフプロデュースしたのです。葬儀の手配はもちろん、祭壇の遺影にはスーツでビシッと決め、にこやかに微笑むその顔には、トレードマークであるオレンジのメガネ。仕出しの料理には、大好物の煮物やオードブルでおもてなし。終の棲家になるお墓は、東京タワーの真下に妻と2人で入れる永代供養墓を用意。

極めつけは参列者に配られた礼状の文面。そこにはこう書かれていました。

「41才で人生における早期リタイア制度を利用させて頂いた」と。

余命宣告をされここまで出来る精神力の人は、なかなか多くはないかもしれませんが、金子さんがこうした納得のいく死に方を、自らの生き様として見せてくれたことで、終活という新しい生き様にキッカケを与えたことは間違いないでしょう。

そして冒頭に戻りますが、その一方で終活を巡るトラブルも現実問題あります。今回はTVのバラエティ番組でしたが、終活に関しては決して他人ごとでは無い内容でした。

もっとも!終活までのくだり以前の内容は、史上最強弁護士軍団が一つも弁護してないので、弁護士いらないよ、ね?と思ったのは言うまでもありません。

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