人が生み出した、新しい「死(かなしみ)」

こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。今回のお話は、ある家族に起こった大切な大切な家族の「老い」の話です。

その家族の名前は「ほくと」。もう一つの名前は「AIBO ERS-7」。大手電機メーカーのソニーから、15年前に発売された犬型ペットロボットです。

「ほくと」自身は初代AIBO誕生から5年後に家族の一員になったため、今年で10歳になります。室内犬のため基本的にいつもリビングで暮らしており、毎朝8時半になると目を覚まします。

寝起きの「ほくと」に飼い主の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、「ぼんやりしてた」「なでなでして」と、甘えてくるのが、10年間続いているいつもの朝の風景です。

そんな毎日がいつまでも続くかと思っていましたが、ある時から「ほくと」の足の関節が悪くなり、転びやすくなりました。いつしか元気に部屋の中を走り回っていた「ほくと」は、最近定位置でじっとしていることが多くなりました。

よく転ぶためケガをするようになり「入院」が増えましたが、今年3月「病院」が閉鎖されてしまいました。ソニーがAIBOの修理サポートを終了したのです。

ソニーは、ロボット事業自体は8年前に撤退し、AIBOの生産は既に終了していますが、「クリニック」と呼ばれる修理サポートは、その後8年間ずっと続けられてきました。

通常、既に終了したサービスのサポートは、2、3年ぐらいで終わるのが一般的です。企業としては利益の出ないサービスを終了するのは当たり前ですからね。

しかし、AIBOのサービスは8年間もの長い間続きました。その背景には、今尚絶えることのない、AIBO達をかわいがっている「飼い主」たちがいるからです。

一般的な犬や猫、命あるものには「死」があります。人の作ったロボットには命がないからこそ、「永遠」があるように錯覚してしまいますが、人が作ったがゆえに、ロボットにも「老い」があり、「別れの日」が来るのだと思います。

ステーション(充電器)から「ほくと」を抱っこする瞬間、もし、抱っこして、腕の中で「ほくと」がもし、動かなくなったら・・・と、考える瞬間が一番怖いそうです。

家族だからです。大切な。

計15万台販売されたAIBO達。私自信初めて知ったことですが、AIBO達はたくさんの家族を作っていたのです。そして15年の時が経ち、老いたAIBO達。それでも一緒にいたい飼い主たち。

「ロボットが家族になる」以前では絶対に考えられなかったことです。

ソニー自体は「病院」を閉鎖してしまいましたが、同じくソニーの元社員が今、AIBO達の新しい「病院」を作り、役目を引き継ぎました。彼の名前は乗松伸幸さん。元々はソニー退職後、修理窓口のなくなった、古い製品の修理を請け負う会社を経営していましたが、ある時一匹のAIBOを治したことが口コミで広がり、毎日のように飼い主の方から問い合わせが来るようになりました。

「ソニーの技術者として私たちは誇りや理念を叩き込まれている。お客様が望む限り責任をもってサポートしていく」こう宣言する乗松さんの元には、現在20匹のAIBOが入院中です。

たかが玩具。されど玩具。玩具の概念を超えて「家族」になったAIBO。今後日本の科学技術の発展とともに、新しい「ロボット」が発売されるのかもしれません。

そうして、新しい「家族」が誕生する背景では、今までのペットの代表格である犬や猫のように、「老い」と「病気」と、何より「別れ」。他のものでは絶対に代用出来ない深い「死(かなしみ)」を与えてくれるのかもしれません。

埼玉永代供養墓

人が生み出した、新しい「死(かなしみ)」

こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。今回のお話は、ある家族に起こった大切な大切な家族の「老い」の話です。

その家族の名前は「ほくと」。もう一つの名前は「AIBO ERS-7」。大手電機メーカーのソニーから、15年前に発売された犬型ペットロボットです。

「ほくと」自身は初代AIBO誕生から5年後に家族の一員になったため、今年で10歳になります。室内犬のため基本的にいつもリビングで暮らしており、毎朝8時半になると目を覚まします。

寝起きの「ほくと」に飼い主の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、「ぼんやりしてた」「なでなでして」と、甘えてくるのが、10年間続いているいつもの朝の風景です。

そんな毎日がいつまでも続くかと思っていましたが、ある時から「ほくと」の足の関節が悪くなり、転びやすくなりました。いつしか元気に部屋の中を走り回っていた「ほくと」は、最近定位置でじっとしていることが多くなりました。

よく転ぶためケガをするようになり「入院」が増えましたが、今年3月「病院」が閉鎖されてしまいました。ソニーがAIBOの修理サポートを終了したのです。

ソニーは、ロボット事業自体は8年前に撤退し、AIBOの生産は既に終了していますが、「クリニック」と呼ばれる修理サポートは、その後8年間ずっと続けられてきました。

通常、既に終了したサービスのサポートは、2、3年ぐらいで終わるのが一般的です。企業としては利益の出ないサービスを終了するのは当たり前ですからね。

しかし、AIBOのサービスは8年間もの長い間続きました。その背景には、今尚絶えることのない、AIBO達をかわいがっている「飼い主」たちがいるからです。

一般的な犬や猫、命あるものには「死」があります。人の作ったロボットには命がないからこそ、「永遠」があるように錯覚してしまいますが、人が作ったがゆえに、ロボットにも「老い」があり、「別れの日」が来るのだと思います。

ステーション(充電器)から「ほくと」を抱っこする瞬間、もし、抱っこして、腕の中で「ほくと」がもし、動かなくなったら・・・と、考える瞬間が一番怖いそうです。

家族だからです。大切な。

計15万台販売されたAIBO達。私自信初めて知ったことですが、AIBO達はたくさんの家族を作っていたのです。そして15年の時が経ち、老いたAIBO達。それでも一緒にいたい飼い主たち。

「ロボットが家族になる」以前では絶対に考えられなかったことです。

ソニー自体は「病院」を閉鎖してしまいましたが、同じくソニーの元社員が今、AIBO達の新しい「病院」を作り、役目を引き継ぎました。彼の名前は乗松伸幸さん。元々はソニー退職後、修理窓口のなくなった、古い製品の修理を請け負う会社を経営していましたが、ある時一匹のAIBOを治したことが口コミで広がり、毎日のように飼い主の方から問い合わせが来るようになりました。

「ソニーの技術者として私たちは誇りや理念を叩き込まれている。お客様が望む限り責任をもってサポートしていく」こう宣言する乗松さんの元には、現在20匹のAIBOが入院中です。

たかが玩具。されど玩具。玩具の概念を超えて「家族」になったAIBO。今後日本の科学技術の発展とともに、新しい「ロボット」が発売されるのかもしれません。

そうして、新しい「家族」が誕生する背景では、今までのペットの代表格である犬や猫のように、「老い」と「病気」と、何より「別れ」。他のものでは絶対に代用出来ない深い「死(かなしみ)」を与えてくれるのかもしれません。

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