足りない火葬場
こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。今回は「足りない火葬場」についてお話をします。
今日、日本では1日約3,000人以上がなくなっているそうです。今年も11月に入り、2013年も後り2ヶ月を切りましたが、今年に入り既に約100万人程は亡くなっている計算です。
亡くなれば火葬をする訳ですが、全国にある火葬場4,704か所の内、実際に過去1年以内に稼働実績のある火葬場は、1,681か所と言われています。(2011年3月末「衛星行政報告例」)
一般的に若者より老人の方が火葬時間が短く、性別では男性より女性の方が短いです。1つの炉で火葬できるのは2~3体と決して多くはありません。その為、少子高齢化で死亡者が増加する一方、火葬場の新設が無いため、火葬を待つ霊安室がパンク状態です。特に冬場の稼働率は100%と、都内では1週間待ちも珍しくありません。
火葬待ちの間は自宅で遺体を保存しないといけませんから、きっとドライアイス業者は儲かっている事でしょう。
反面、火葬場の経営は採算性に問題があります。理由は、炉は燃焼、冷却を繰り返す為、疲労が激しく10年持たないため民間ではペイできないからです。儲からないわけですから、新規参入の事業者がなかなか現れず、ようやく現れたとしても地域住民の反対にあうかもしれません。
何より、経営的に先々を見た際、少子高齢化社会の今は需要があるかもしれませんが、人口がピークアウトしたとたん、一気に不稼働資産になってしまうため踏み込めないのが現状です。
そもそも自由競争自体がなじまない世界ですから、基本的には公営でやるべき仕事だというのが、一般的な見解のようです。事態を打開するために、休眠中の火葬場を再稼働させれば効率もあがりますが、なかなか進展していないようです。
しかし、東日本大震災のような天災が再び起きた際、想像もつかないほどの死者が一時的に大発生します。実際、東日本大震災の時は、宮城県の自治体だけでは対処できず、都内の火葬業者に犠牲者の火葬を要請しました。
今後、同じような天災が来るか来ないかは未知数ですが、もし私自身が亡くなり、1週間も2週間も火葬してもらえず自宅にいたら、妻や息子に絶対迷惑がられる自信があるので、一刻も早く火葬していただき、天国か地獄だかわかりませんが、さっさとスムーズに解放され、自由になりたいものですね。ローンとか諸々からね。