「草葉の陰」とは
あの世から見守っているという意味で、「草葉の陰から見守る」という表現が使われますが、何故、「草葉の陰」なのでしょうか?
『広辞苑』によれば墓の下、あの世と出ています。確かにそうに違いないのですが、この言葉には歴史的な意味が隠されているようです。
昔は今のような立派な石のお墓は、ほとんど作られませんでした。今なら石張りで草一本生えませんが、昔の遺体が埋められた山の端や草むらのは、夏には10日もすれば一面に草が茂ります。
ですから、塔婆や小石が載せられていても、やがては朽ちていき、あたりと変わらない自然に還っていきます。
というわけで、昔の亡き人が居る場所はまさに草葉の陰だったのです。
ですから草葉の陰とは、昔の埋葬場所の様子から来たものなのです。