深刻な都市部の墓不足
お墓がどの程度不足しているのか。正確な資料はありませんが、人口の集中が激しい大都市圏において顕著なのは確かです。
あるアンケートによれば、全国の12大都市の人々のうち、4人に1人が自分自身が利用できるお墓を持っていないと答えています。同じアンケートではさらに、4割強の人が墓地が不足していると感じているという結果も出ています。
一方、厚生省の「これからの墓地等の在り方を考える懇談会」の議事要旨によると、東京都の墓地需要予測は、今後20年間(1985年~2004年)で約36万基、年平均1万8000基のお墓が必要になるとされています。
これは、高齢化社会の進展に伴って、今後20年ほどの間に死亡者が急増するからです。
ちなみに参考文献によれば、現在、都立の霊園は8か所あり、98万人が眠っているそうです。でも、墓地不足が深刻化して、新規に募集する分は常に抽選倍率が10倍以上と高く、墓地が手に入らないため家庭に滞留している遺骨は都内全体で100万体にも達すると予想されるとのこと。高齢化が進めば、そうした遺骨もさらに増えることでしょう。
大都市圏における墓地不足にますます拍車がかかることになります。