少子化におけるお墓の継承者問題
現代では、女性の就労活動が活発になったこともあり、晩婚化や非婚化が進んでいます。結婚しても子供を作りたくないと考える女性も増えてきました。こうしたことから、日本の人口は徐々に減少し、2050年には1億人、2100年には約6700万人になると予測されています。
この少子化がお墓をめぐる問題に大きな影響を与えつつあります。子供がいない家庭が増えれば、夫婦のお墓を誰が継承するか、守っていくか、当事者にとっては深刻な問題になるからです。
また、子供が生まれたとしても、たいていは一人っ子です。そうなると、お互いの家の長男と長女が結婚することになります。この場合も両家のお墓をどういう形で守れあいいのか、双方の両親が亡くなった時に、子供夫婦が悩むことになります。
夫婦二人で両家の墓を守っていくという選択肢を選んだ場合、その経済的負担はもとより精神的な負担も増大します。彼らにもし子供が生まれた場合、その子はさらに結婚相手の家のお墓を守ることになる可能性も出てきます。
二人とも一人っ子であれば、彼らは全部で4つの家系のお墓を守ることになる、ということさえ考えられるのです。