仏教ことわざ③「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる」

本日のことわざは「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる」です。

大師といえば、弘法大師、太閤といえば豊臣秀吉を皆様もイメージされると思います。

しかし、大師というのは朝廷から高僧に与えられた称号で、実は弘法大師以外にも何人もいるのです。

しかし、弘法大師のイメージがあまりにも強いため、現代ではお大師様といえば、弘法大師と多くの方が認識されているのです。

同じように、太閤も摂政(せっしょう)・太政大臣(だいじょうだいじん)に対する敬称で、これも何人もいるわけですが、誰もが慣れ親しんでいる太閤は豊臣秀吉だと思います。

つまり、今回のことわざは、大師も太閤も特定の個人を表す尊称ではないものであるのに、庶民の敬い慕う人気が、一般の尊称を特定の人を指すものにしてしまうということなのです。

現代であれば、ミスターという敬称がそうです。ミスターは男性の姓に付ける敬称ですが、日本でミスターといえば巨人の長嶋茂雄さんを多くの方がイメージされると思います。

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