お墓参りは、お墓確認?
こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。私は貧乏の為、自宅で新聞をとっていないのですが、代わりにインターネットのニュースをよく見ています。それも時代的にモバイルですから、スマートフォンのアプリで見ています。
そんなスマホで最近見つけたニュースに、「ある日、数年ぶりに墓参りに行ったら、墓が無くなっていた」という内容がありました。
これは現実に起こりうる可能性として、警鐘を鳴らすための記事でした。その発端となったのが、今から15年前の5月、「墓地、埋葬等に関する法律」が改正したことが始まりです。
改正後、具体的にお墓が無くなるまでの経緯としては、以下の通りです。
1.寺や自治体などが、縁者がいなそうな墓を無縁墓として選定する。
2.その墓を対象に官報公告を出す。官報公告の猶予期間は1年間。
3.墓の縁者が名乗り出ない場合は、最終的に「縁者無し」と公式に認定される。
4.次に、民法上の問題をクリアする為、更に5年間そのままの状態を維持する。
5.官報公告に1年。民法に5年。計6年後ようやく撤去が可能になり、別用途で使用できる。
つまり、6年間全くお墓参りに行かず、お寺や自治体からの何かしらの勧告を一切合切無視していると、墓を撤去されても文句が言えないという事です。
ではなぜこのような事態になったかと言いますと、都心部に就職した地方出身者や、出身地以外で結婚して家庭を持った人など、地元から遠く離れて暮らす人が増えてきて、地元にあるお墓との縁が薄くなってしまった事が原因です。それでも両親が健在の内は帰省する機会もありますが、もし亡くなれば帰省する機会がぐっと減ってしまい、結果、お墓参りに行く回数すら減って行きます。
実際、私が担当したお客様で、静岡県出身の方でしたが、群馬県の方へ嫁ぎ、家庭を持ち、それでも両親が健在の内は静岡まで帰省してお墓参りをしていたものの、両親が亡くなり、家族や兄弟も既に静岡に誰もいないため、お墓参りに行く回数が減ってしまったお客様がいました。
最もこのお客様は「改葬」という形で、お墓を群馬まで引っ越したので、お墓が無くなった訳ではなく、お墓を移動した訳ですけどね。
ただし、本当に誰も継手のいない無縁墓も、少子高齢化に比例して現実増えており、利用されないまま放置されているのも、まぎれもない現実です。そんな社会的背景を踏まえ、政府が動いたのが15年前の法改正と言うわけです。
こうした法改正は日本だけではなく、他の国でも実際にあり、韓国ではいままで埋葬には「土葬」が一般的でしたが、死亡者数が増加し、墓地の面積を大きく取る土葬では「墓地にする場所が足りない」という社会問題が表面化し、法改正へと繋がりました。
とはいえ、本当に墓地を撤去されてしまった!という話自体、私自身聞いた事はありませんが、そもそもお寺や自治体の墓地など、施主が墓地自体を「買った」わけではなく、あくまでも「使用権」を買って借りているだけですから、墓地自体の主権はお寺や自治体にあると思います。
何より、自分のご先祖様のお墓な訳ですから、仮に6年間もお墓参りに行かず撤去されたら、嘆くよりもまず、6年間放置されて充分嘆いているご先祖様の気持ちを考えましょう。
長いですからね!6年間は!なんせ生まれた子供が、ふと気づけば小学6年生ですからね!最近私の知人女性が近々再婚を予定しているらしいんですが、その再婚相手が6年前に離婚した元旦那さんらしいんですよ。子供もいて当時子供は6歳だったそうですが、今では何と12歳!まぁデカいデカい!
その知人は私の嫁の知人なんですが、以前は、嫁、知人、子供の3人でよく遊んでたようですが、離婚後、親権が知人の旦那さんへ移ってからは全く会っておらず、最近知人の再ゴールインの話を聞き、一番驚いたのがその子供の年齢だったそうです。なんせ嫁の頭の中では6歳児のままストップしていた訳ですからね。それが今では12歳!全く想像出来ないと、足りない想像力が早くもエンストしていました。
話しは脱線しましたが、それだけ6年間は長いという事です。努々「お墓確認」は忘れずに・・・。