仏のことば その22

こんにちは、熊谷墓園 石材部の佐藤です。
夏と言えば色々ありますが、この時期は虫が多く出てきます。
家の中まで入る込んで我が物顔で飛び回る虫。店先にある誘蛾灯に虫がぶつかって「バチッ」と音がするのもこの季節ならではかもしれません。
最近はスプレーをしておくと、14時間も蚊を退治出来る物があるとか・・・。
ですが、仏教では虫を殺す事もご法度です。
かつてインドでは夜、裸火のもとでお経を読んでました。ところが、それでは火災の危険もあります。さらに、修行僧が灯火をつけてお経を唱えていた時に、虫がこの炎の中に入って死んでしまうアクシデントが
起きてしまいました。殺生を許さない仏教では大事件です。
そこで火災防止と虫を殺さないように様にするため、銅、鉄、瓦、木、竹で灯篭を作る事が許されました。
しかし問題は、そこに張る物。
「薄氈(獣の毛で作った薄い布)で遮障すべし。」
とあります。
それが手に入らなければ紙や絹を用いて良いとされていました。
それが日本に伝わってからは、仏殿の前に置かれたり、堂内に安置されたり、寺院や神社の軒下に吊り下げられるようになりました。
そして現在では集蛾灯を兼ね備えた庭飾りとして置かれるケースも少なくありません。
本来は虫を殺してはいけないのに、灯篭は日本に伝わる時にその役目を忘れてしまった様です。

新しいお墓のかたち

前の記事

君が代

次の記事

五山の送り火