仏のことば その28
こんにちは、熊谷墓園 石材部の佐藤です。
10月も後半です。だんだん寒くなってきましたが、如何お過ごしでしょうか?寒く乾燥するこの季節、多くなるのが火事です。
火事だ!と鐘をジャンジャン鳴らしていたのは昔の事で、今では時代劇の中でしか見られませんが、この鐘、「半鐘」といいますが、この半鐘の起源は時間を知らせるためのものでした。
インドでは、僧侶の集会の時などには木製の「揵稚(かんち)」を鳴らしましたが、中国では木の代わりに、「銅鐘」を用いる様になりました。それが日本に伝わり、寺院の「梵鐘(ぼんしょう)」として発展するのです。
半鐘は、その鐘を小型にしたものと考えてもいいと思います。
もっぱら建物の下に吊り下げられていましたが、この用途は火災の合図の為だったとか。その為に街中で火災警鐘用として用いられるようになりました。
時間を知らせるという実利的な道具だった鐘が、仏教のシンボルとして扱われるようになった理由は、その響きにあると考えられています。奥深いその響きは、聞く人に菩提心を起こさせ、仏教への愛情を呼び起こし、煩悩も軽くしてくれると感じさせてくれます。
この梵鐘にはさまざまな呼び方があります。
鯨鐘、洪鐘(おおかね)、釣鐘、撞鐘(しゅしょう)、長鯨、巨鯨、華鯨・・・
色々あります。鯨がつくのはその形状からの連想です。
さらに、梵鐘や半鐘の頭には必ず竜頭が付いています。竜は仏教守護神。その為に、鐘には欠かせないものなのです。