無縁社会と無縁墓地
初めまして、熊谷墓園・龍泉寺石材部の齋藤です。
初回となる今回は、我々石材部が担当するお墓に直結したテーマで書きたいと思います。
今から3年前の2010年に、NHKが「シリーズ”無縁社会”ニッポン」として放送し、家族、地域、会社などにおける人との絆の薄れ、孤立する人が増えている現状、こうした現代社会の側面を、「無縁社会」と名付けました。
放送後大きな反響を呼び、その年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)のトップテンに選ばれ、「週刊ダイヤモンド」でも、「無縁社会−−おひとりさまの行く末」(4月3日号)という特集も組まれました。その背景には、核家族化、非婚率の上昇、長寿化による単身世帯の増加などが原因とされています。
そして、そうした「無縁社会」の原因は、そのままお墓の無縁化へ直結しています。例として、核家族化により三世代同居率が低下し、家族で墓を守るという意識が低下しています。また、生涯未婚高齢者が増加する中、子どものいる家族ですら、52.7%の人が将来無縁になるのでは、と考えています。
しかし、同時に半数以上の人が、永代供養墓には入りたくないとも思っています。
何より、近年、自分が死んだら無になるという、死生観の変化から、散骨や樹木葬といった新しい埋葬方法が出来たものの、残された家族は決して”無”にはならないので、全体としては、やはり形あるお墓参りがしたいと、70%以上の人が、お墓参りは必要だと感じています。
そうした現状の中で、今後のお墓のあり方としては、「無縁化しない仕組みの確立」が重要になっています。つまりは、残された家族等が、いかに安心して故人のお墓を守れるか、我々「熊谷墓園」も、色々な「方法」を考えています。