高くて遠い

前回、「先祖代々の墓」から「個人の墓」はとお墓の形態が変わってきたというお話をしました。ところがこの変化は、形態だけの変化にとどまらず、経済の歳集中化とあいまって、都市部における墓地需要の急激な膨張をもたらしました。墓地だけではありません。墓石そのものの価格も高騰しました。

首都圏でいえば、昨今墓地を求めようとすれば、一区画数百万円という墓地は珍しくありません。それに墓石や外柵などが加わると、ローンを組んでも支払うのが苦しい金額になってしまいます。

しかも、首都圏の場合、それだけの金額を支払っても自宅から遠く離れた郊外にしか購入できないのが現状です。それは、中心部に新しくお墓をつくるだけの土地が少なく、もしあったとしても土地代が高くて採算に合わないからです。

お墓は本来、できるだけお詣りしやすいよう、自宅から近いところにあるのが理想です。自宅から30キロも40キロも離れていたのでは、そこに入っている身内に対する愛着も薄れやすくなりますし、墓参りそのものがおっくうになってしまいます。個人に対する供養という点でも、できるだけ身内が住んでいる場所に近いところに設けて安心させたい、と思うのが人情でしょう。しかし現実は、決してそうではないのです。

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