リメンバーミー(私を忘れないで・私を思い出して)

こんにちは熊谷深谷霊園石材部の齋藤です。先日子供と一緒にDVDを借りに行ったとき、何となくTVCMで見かけていた「リメンバーミー」というディズニーを映画を借りました。正直ディズニーだし新作だし子供が喜ぶだろうという安易な判断基準で選びましたが、子供と一緒に観ていてどんどん映画の内容に惹きこまれていきました。なぜなら映画の内容が我々の業界に非常に密接した内容だったからです。

リメンバーミーは2017年に公開されたディズニー映画です。アカデミー賞をW受賞した名作です。私は見ていませんでしたが。肝心のストーリーの冒頭は以下の通り。

舞台はメキシコ。主人公は音楽を愛しミュージシャンに憧れる12歳の少年ミゲル。ミゲルには大好きなひいおばあちゃんココがいました。ココのお父さんはミュージシャンだったけれど、音楽を愛するあまり家族を捨て家を飛び出した過去がありました。そのため残されたココのお母さんは家族を引き裂いた音楽を家族を壊す象徴として一族のタブーにしました。それでもココは100歳に迫る高齢のとなり認知が進んでしまい家族の事を忘れかけながらもお父さんの事はかろうじて覚えていました。

そして街では、毎年一年に一度だけ死者がこの世に帰ってくる「死者の日」の準備に追われていました。「死者の日」はご先祖様が帰ってくる特別で大切な日。家族は家に祭壇を作り、ご先祖様達の遺影を飾り、たくさんのお供え物を供えて家族みんなでお迎えします。祭壇に写真を飾ることは特別な意味を持ち、祭壇に写真が無いご先祖様は死者の日にこの世に帰って来れず家族に会えない決まりがありました。ミゲルの家の祭壇にはたくさんのご先祖様の写真が飾られていましたが、ココのお父さん、お母さん、ココが写る家族写真のお父さんの顔写真だけは引き裂かれたまま祭壇には決して飾られませんでした。

死者の日で賑わう街では死者の日を祝う音楽のコンテストが開催していました。一度は家族に音楽を禁じられ諦めていたミゲルでしたが、写真が破られ顔の分からなかったココのお父さん、自分にとってのひいひいおじいさんが、ミゲルの憧れる伝説の音楽家デラクルスかもしれない事が分かり希望を見出します。ミゲルはコンテストに参加するため手作りのギターを片手に参加しようとしますが、家族に見つかり「家族のために音楽はするな!」とギターを壊されてしまいます。

大好きな家族からギターを壊され、もうこんな家族はいらない!そう叫び駆け出したミゲルは、自分のひいひいおじいさんかもしれないデラクルスのギターが眠る墓所へと走ります。そしてギターを手にしたミゲルは死者の国に迷い込みかつてのご先祖様達と邂逅していきます。

そして死者たちの国である人物との出会いがミゲルの想いを変えていきます。それは映画のタイトルにもなっている「リメンバーミー」。実はこの作品の本来のタイトルは主人公のひいおばあちゃんの名前である「Coco」と言います。しかし日本語化するに辺りタイトルを「リメンバーミー」に変更しました。その言葉の意味は「私を忘れないで」「私を思い出して」。

映画の中ではこの言葉が誰が誰に対し言っているのかが明確ですが、この言葉は我々の業界とも決して無関係ではないのではないかと感じました。まず作品に出てくる「死者の日」の持つ意味はほとんど日本で言う「お盆」そのものです。

「家族」がテーマになっているこの作品の持つ、ご先祖様と今を生きる家族との繋がり。死者と生者の繋がり。「私を忘れないで」「私を思い出して」。それは決して特別なことではなくて、自分のお父さんやお母さん。そしておじいちゃんやおばあちゃんの事を思い出す。ただそれだけのあたりまえの事なのかなぁと。

供養離れと言われる昨今。儀式的な事ばかりにとらわれて、何か大切な、あたりまえな事を忘れていたのかなぁと、子供と一緒に映画を見ながらそんな思いになりました。そして自分がいつか子供達から忘れられてしまうとしたら、これほど悲しいことは無いのかもしれません。

今年のお盆、そしてお彼岸が終わりましたが皆様はお墓参りには行きましたか?もしまだ行っていない方がおられましたら今からでも遅くはないので、行ってみてはいかがでしょうか?きっとお墓に眠っている家族は必ず喜んでくれると思いますよ。そんな訳で、長々と綴りましたがそんな事を言っている私はお墓参りにまだ行っていないので、今度の休み、お墓参りに行ってきまーす!!(遅れてしまい申し訳ありませんでした、じいちゃん、ばあちゃんへ)

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