写経について⑤
こんにちは、熊谷霊園 石材部の林です。
今回も写経について書かせていただきます。
写経は中国や日本でも大々的に行われました。当初の目的は記録で、日本ではのちに写経司や写経所がおかれ、国家事業となります。同時に中国や日本では、記録とは別に「功徳」を積み、亡き人の生前の罪をなくすことなどを願って写経がさかんに行われました。
写経の末尾に「願文(がんもん・願いごと)」や「為書(ためがき・目的)」を書きますが、奈良時代のお寺や正倉院に残る写経は、ほとんどが「過去七世の父母」のための追善や滅罪を込めた「願文」が書かれています。これは、そのころ中国で行われていた写経の功徳や考えをそのまま受け入れたものですが、日本へは仏教の伝来とともに伝わってきました。