大都市圏での墓地が不足している理由

現在、大都市圏での墓地不足が問題になっています。

大都市圏で墓地が不足し始めた大きな理由の一つが、核家族化と人口の一極集中です。

核家族という言葉は、アメリカの文化人類学者の、G・P・マードックが1949年に『社会構造』という本の中で提唱しました。家族を構成する最小単位を原子核になぞらえて表現した造語です。

日本における核家族化は高度経済成長期から始まったといわれていますが、実は明治以降の急速な都市化、工業化を契機に進展していったもので、戦後の民法改正で明治以来の「家制度」が崩壊した後に加速したとされます。

ともあれ、その核家族と経済発展に伴う人口の一極集中によって大都市圏における世帯数が大幅に増え、一世帯に一基という形でお墓も増えていきました。

ちなみに、急速な都市化現象を経験した東京・多摩市では、ニュータウンの入居が始まる前の1971年に9665世帯であった世帯数が、2000年には5万7511世帯と拡大しています。実に6倍弱の膨張です。伸び率こそ違え、全国の大都市圏で同じような現象が起きています。

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