なぜお墓は石でつくるのか⑦

こんにちは、熊谷霊園石材部の林です。

今回も前回からの引き続きを書かせていただきます。

境界石はのちに「道祖神」「賽の神」や墓地の入り口の「六地蔵」、四つ辻・村はずれのお地蔵さまなどになります。どれも知らない異界と日常の世界とを隔てているという意味です。外敵や疫病、疫病神の侵入を防ぎ、あの世で苦しむ死者を救い、知らない世界へ旅立つ人やそこに暮らす人々の生活を守るなど、様々な民俗・仏教・神道の意味が込められています。

ちなみに「賽の河原」は仏教的なこの世とあの世の境界で、お地蔵さまは幼くして亡くなった子供たちの苦しみを救うためにそこにいますが、千引岩で出口を塞いだの「塞」と賽の河原の「賽」は字が似ています。庶民の感覚では、そんなことから塞の神(道祖神)と村はずれのお地蔵さまが習合して、いつの間にか同じような意味に受け取られるようになったのかもしれません。

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