字に、思いを寄せて

こんにちは、熊谷墓園石材部の齋藤です。今回は石塔に彫る「字」について書きたいと思います。

書こうと思ったキッカケは、最近出会いましたお客様が、石塔の正面に彫る「字」について、とても思いを寄せていたからです。そのお客様は、娘さんを亡くしていました。親より先に亡くなった訳ですから、同じ子を持つ親として、お客様の悲しみはとてもつらく感じました。

亡くなった娘さんはとても笑顔が素敵な方だったようで、確かに祭壇の上で微笑む笑顔はとても魅力的でした。お客様はこの娘さんの笑顔に本当に助けられたようです。

ですから石塔に彫る字は、自然と「笑顔」という言葉が浮かんできたようです。

もちろん、お墓という場所は基本的に笑うより悲しむ場所ですから、取りようによっては「笑顔」という字は不謹慎と思われるかもしれません。でも、娘さんの笑顔は確かにお客様に幸せを与え、娘さんが生きた証しとしてお客様の心に一番強く残った訳です。

思いがある訳です。

石塔の竿石に「○○家之墓」ではなく、「絆」や「和」など字を入れるのは、一見一過性の最近の流行りのように見えるかもしれませんが、そこには確かに、遺族が故人へ寄せる、「思い」があるんだなと、再認識した一件でした。

新しいお墓のかたち